目の前にいる鬼姫……いや、妬鬼姫は、ゾンビを従えて、この迎賓館を襲ってきた。
「さてと、妾も本気を出して、この館を滅ぼすとしよう。それと、ここに鬼斬丸と月読があるはず。大人しく差し出せば、命だけは……」
「誰が差し出すもんか!!」
妬鬼姫を前に、ふわは大声で叫んだ。
「これはお前を倒すための大切な刀! 誰がお前なんかに渡すもんか!」
鬼斬丸を携え叫ぶふわを、妬鬼姫は興味深そうに見つめて。
「ほほう、面白いこともあることよのう。まさか、戯れに産み落とした子が、こんなところにいるとは」
「え……、今、なんて……」
「不和(ふわ)、和に非ずのお主が鬼斬丸を持ち、妾に刃向かうとは、面白いこともあるものだ」
「ふ、ふわは……ふわは……」
戸惑い、戦意を失っていくふわに。
「ふわは、お前の子供なんかじゃない!!」
迎賓館の前で叫ぶのは、キヨ。
「キヨちゃん!?」
「人の子が妾にたてつくとどうなるか、見せてやろうか?」
「キヨちゃん、危ないっ!!」
ふわはキヨに覆い被さり、妬鬼姫が薙いだ鉈を避けた。代わりに怪我をしたのは、ふわだ。
「ふん、忌々しい。そんなにその子を好いているのか、不和」
「そんな名でふわを呼ぶな!」
「ならば、お前達の力で妾を、死人を退かせば良いだろう。それも出来ぬのに妾に勝とうなどと片腹痛いわ!」
ふわ達が妬鬼姫と話している間、海斗は何かを感じていた。
「僕達の……力……」
本を読み、憧れていたことがあった。
自分にも何か不思議な力が使えたらと。ちりりと、持っていた本に熱が帯びる。
「僕にも、戦う力があれば、こんなゾンビになんて……」
とたんに、何かが浮かび上がる。
「ま、魔法陣? まさか……」
熱を帯びた本を開き、浮かび上がる一文を見た。
「我は願う、英雄騎士達の戦歌よ、響け!!」
「なに……?」
妬鬼姫が目を見開いた。
彼女の視線の先には、魔法陣から数多くの光の騎士達が召喚されていくのを。そして、その騎士達はそのまま、ゾンビを切り裂いていく。
それだけじゃない。
「迎賓館は……あたし達が守るんだっ!!」
晴美の声に反応して、強固なバリア……いや、結界が迎賓館を包み込む。
「ふわさん、しっかり!」
駆け寄ってきた桜子が祈りを捧げると、ふわの背中についていた切り傷がすうっと消え去って行くではないか。
「そうか……皆が使えるのなら、私も……ふわ」
キヨがふわに声をかける。
「アイツの声なんか聞いちゃダメ。ふわはあんなやつの子じゃないよ。ふわはふわだ。優しくて強いふわだよ」
そういって、ふわへと力を送る。
「……キヨちゃん」
するとふわにも変化がもたらされる。
ずっとずっと、縛っていたものが、ゆっくりと解かれるような、そんな暖かい力。
ふわの頭に小さな角が一本、突き出して、ふわは立ち上がる。
「ふわは……ふわだっ!!」
鬼斬丸と釘バットが薙ぐ。
がきっと、妬鬼姫の鉈で、その攻撃をいなした。受け止めることがなかったのは……もしかすると……。
その上、ひゅんと銃口が火を噴いた。チドリだ。
「悪い悪い、お姫サンを振り向かせたくてつい!」
そう軽口をいうチドリを睨み付けながら、妬鬼姫は告げる。
「そんなことを言えるのも、今のうちだけだぞ! 妾は三本の刀の力を克服した!! お前達のちっぽけな力でさえ、妾を殺すことも叶わぬ!! だが」
妬鬼姫はもう一度、ふわを見つめる。
「どうしても、母の元へ来るというのなら、許さないこともない。不和。お前が望むのならばな」
「ダメ、ダメだよ、ふわ!」
キヨが必死にふわに抱きつく。
「わかってるよ、キヨちゃん。ふわは行かないよ」
「ふわ……」
二人を睨み付けるかのように一瞥すると、妬鬼姫はそのまま、ゾンビ達を引き連れ戻っていった。
妬鬼姫が戻っていく先。それは……。
「皇居の方角……」
戦いが終わり、ひとまずの平穏が取り戻された。
しかし、課題は山積みである。
「鬼は存在していた……ここには二つの神器はあるが、皇居には皇后が持つ、勾玉が眠っている」
そう歌風は続ける。
「そして、その鬼、いえ、妬鬼姫ですね。三本の刀がここに揃いましたが、その力を克服したと言った以上、それ以上の力でもって、倒さなくてはなりません」
「それに、帝はこうも言っていたわ」
紀美子が付け加える。
「三つの神器を使いなさいって。きっと、月読と鬼斬丸に草薙の剣の三本の刀を揃えて、勾玉と鏡の力をも使って、戦うって事よね」
「恐らく、そうなると思います。それに、我々が目覚めた力……それにも、何か意味があるのかも知れません」
どちらにせよ、妬鬼姫とは決着をつけなくてはならないだろう。
妬鬼姫を倒し、平和を取り戻すこと。
そして、ゾンビ病の糸口を得ること……。
最後にもう一つ。
「やっぱり、ふわは……人間じゃないのかな?」
ゆっくりとどこまでも青い空を見上げて、ふわはそう呟いた。
一方、研究所にて。
「悟さん、ちょっといいですか?」
声を掛けたのは境だ。
「境さん、どうしたんですか?」
「これをお返ししようと思いまして」
差し出してきたのは、境が預かっていた悟の銃だ。
「流石に弾は渡せませんが、それでも……大切なもの、ですよね?」
「ありがとうございます、境さん」
嬉しそうに悟は、その銃を受け取った。家族から貰った、その大切な銃を。
マスターより
ふおおおおお、終わったああああああ!!!
あ、どうも、かざやんです。皆さん、お疲れ様でした!!
まさか、あんなふわちゃんのアクションを貰うとは……動画見たときに、ぶほっと吹いちゃったじゃないですか、もう!! 超能力者ですか!?
それと、影のMVPは彩葉さんですね。彩葉さんがいなかったら……きっとヤバいことになってた……おお、こわっ!!
さて、前置きはこのくらいにして、さっそく本題へと参りましょう。
今回で、殆どの謎が全て開示されました!! 後はもう、好きに焼くなり調理するなりしてくださいねー!! まあ、カレンさん、まだ言ってないことがありますけど、まあ、それくらいは、なんとかなるでしょう。うん、たぶん。
それと……今回の序章、そしてアクションフォームを見ていただけると分かりますが……皆さんに神通力が目覚めました!! いやったーー!!
ぶっちゃけ、魔法とか必殺技的なアレです。神様になるとか、余程無茶しなければ、大体は通るかと思いますが、心配な方は早めに提出してください。問題があれば、かざやんがチェックしてお知らせします!
あっと、神通力の力の関係ですが。
イマジンさんの力が2とするならば。
イマジン:2>アナザー:1.5>月太郎&悟:0.5
という力の加減となります。イマジンさんの方が力が強いです。で、月太郎さんと悟さんは、その力の一部を病克服に使ったので、ちょっと弱くなっています。
ですが、使う機会は限られていますので、できるだけ次回で、自分の神通力を決めて、アクションに記載をお願いします。
参考までに発現したNPC達の力を記載しておきます。
海斗:光の騎士達の召喚
涼介:特殊弾(魔法)での攻撃(出ませんでしたがこれを持ってます)
桜子:傷を癒す力
キヨ:ランダム効果で相手を強化
晴美:強固な結界(バリア)を張る
なお、上記以外のNPCは、神通力を持っていません。ご注意ください。あ、例外として、帝は特別な力を持っています。この場に居ませんが。
ああ、それと!!
今回、お一人だけ、音信不通の方がいました!! かざやん、マジ悲しいです。
幸いにも2連続ではなかったので、まあ、様子見しましたが、次回は神通力もありますし、必ず、絶対に!! 提出をお願いしますっ!!
音信不通、ダメ、絶対!!
もう一つ、お知らせ。
カレンの話を聞いた方。その情報の取り扱いには気をつけてください。
特にグラウェルさんに話しちゃったら、ちょっと大変なことになります。
それ以外の方なら、まあ……なんとか……? けど、グラウェルさんには本当に極秘としてください。おねがいしまーす!!
それと、現時点で研究所にいるのは、下記の方々となります。
錫鍍・怜一・境・更谷・千代・正之助・栞・月太郎
但し、チドリさんは一人別行動を取りましたので、「研究所に戻っても、迎賓館に戻っても良い」状況になっております。参考までに。
それ以外の方は、全て迎賓館にいます。そちらからのスタートとなりますので、よろしくお願いしますね。
それとくれぐれも、『単独で』妬鬼姫に会わないでください。
かなり危険です。大ボスなので、かなり強いですし。とにかく、決戦を挑むときは、全力でお願いしますね!!
では、恒例の項目説明入りますね。
・妬鬼姫との決戦!
妬鬼姫と決戦を挑みます! 戦うときはマジで全力でお願いしますね!!
ボスは強いよ、マジで!!
・最後の神器を求めて(FCに調べる部屋・場所)
最後の神器を皇居で探索します。これもかなり大事なポイントとなります。
一人でもかまいませんが、数人でやった方がいいのかも?
・対策本部で活動!
えっと、説明はいりませんよね?
・迎賓館にて
迎賓館に残って、何かをします。日常系?
・研究所にて【研究所にいる人専用】
研究所で何かをします。グラウェルの研究を手伝うと何か良いことがあるかも。
あ、グラウェルが話したことも、ゾンビ病の糸口となりますので、ちょっと見返しておいてくださいね。
・NPCと一緒に(FSにNPC名)
特定のNPCと一緒に居たい方はこちらをどうぞ!!
・PCと一緒に(FSにPC名)
こちらは、上記のPC版です。誰かといちゃいちゃしたい方はこちらをどうぞ!!
・決着をつける
何らかの決着をつけます。好きなようにどうぞ!!
・自分の道を行く!
もう、なんでもいいよ、悔いの残らないアクションをお願いします!!
それと、今回もラスト近いということで、備考欄を使っての補足を可とします。
よければ、こちらもご利用くださいませー!!
それでは、アナプレも佳境に入りました。
皆さんの熱いアクション、楽しみに待っていますね!!
妬鬼姫を前に、ふわは大声で叫んだ。
「これはお前を倒すための大切な刀! 誰がお前なんかに渡すもんか!」
鬼斬丸を携え叫ぶふわを、妬鬼姫は興味深そうに見つめて。
「ほほう、面白いこともあることよのう。まさか、戯れに産み落とした子が、こんなところにいるとは」
「え……、今、なんて……」
「不和(ふわ)、和に非ずのお主が鬼斬丸を持ち、妾に刃向かうとは、面白いこともあるものだ」
「ふ、ふわは……ふわは……」