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 案内された部屋の奥には……。
「だから、私は食べませんと言っているでしょう!」
 幼さの残るその声の主は。
「この先に居られるのは、慶仁様……いえ、第50代帝が居られます」
「えっ……?」
 アルフィナーシャの視線の先には、彼女と同年代の……幼い帝が静かに、ソファーに座っていた。


第三話 序章

 拠点を移動する者達がいてくれたお陰で……そして、ゾンビになった者達が犠牲になったことで、迎賓館のキャパは正常に戻った。今は逆に少ない人数であれば、更に収容できるようにもなっている。
 そこで、桜塚特務部隊は新たな一手を撃ち出した。
「ゾンビ掃討戦……ですか?」
「ああ。迎賓館周辺だけでなく、周辺の拠点へのルートを重点に、ゾンビを一気に掃討しようと思う。それにミスターグラウェルからも頼まれてね」
 重造はそういって、一つの銃を机の上に置いた。
 今まで使っていた拳銃とは違う……未来的なデザインの銃、そうかつてカレンが使用していたあの、強力な銃だ。
「これを参加者全員に貸与してくれるそうだ。これならば、一気に掃討できるだろう」
「ですが……我々だけでは、人数が足りないのでは?」
 そういう周に重造は。
「ああ、だから……民間にも協力して貰おうと思う」
「なんて無茶な……」
「もちろん、重要なところは我々が担うつもりだ。民間には撃ち漏らした敵を撃って貰う。そうすれば、問題ないだろう?」
 そういって、重造は立ち上がり、皇居のある方向を窓から眺めた。
「出来れば、もっと早く向かいたいのだ。あの地へ……」

 そして、迎賓館にあるポスターが張り出された。
「こ、これは本気でござるか!?」
 民間から掃討戦に参加する者を募集するという、その張り紙が。
「僕は参加するよ」
「え!? 夏目先輩? どうして!?」
 勘九郎の声に海斗は笑顔を見せる。
「このご時世だからだよ。それに、ここでじっとしているよりもお国の為になるのなら、軍と一緒に戦うのも悪くない。そうだろう?」
「なんで、そんな危険なことをするの?」
「そうだよ、危ないよ!」
 そこに通りかかった桜子と晴美が声を掛ける。
「でも、いずれは僕達も戦わなくてはいけないんだと思う。それなら早く、ゾンビとの戦い方を学んでおいた方がいいと思うんだ」
「いいんじゃない。引きこもるよりもいいと思うわ」
 海斗の言葉に賛同するのは、キヨ。
「必要なら、私の持ってきた物も使って良いわよ。まあ、あんまり役に立たないかもだけど」
 そういって、キヨの家から持ってきた落とし物を持ってくる。
「ふうん。月読の力を試してみるのもいいかもね」
 そう彼らの言葉に乗ってきたのは、紀美子。その腰には家から持ってきたあの脇差しがあった。
「き、紀美子ちゃん!? 危険よ!!」
 桜子がすぐさま止める。
「もう危ない橋は渡ってるし、戦いには慣れておかないと。あ、鬼斬丸……この刀、引き抜ける人いませんかー? 引き抜ける人がいたら、あたしと一緒に戦いましょう!」
「ちょ……ちょっと待って、それって、昨日言ってた鬼退治の話?」
「鬼神退治。相手は強い神様っぽいから、できればもっと仲間が欲しいの。そういえば、お父様は3人で封じたって言ってたけど、もう一人ってどこだろ?」
「鬼退治なんて、おとぎ話みたいな事、あるわけ……」
「それがそうでもないみたいなんですよ」
 そう声を掛けてきたのは歌風。その手には資料室にあった本が抱えられていた。
「この本によると、三人の剣豪が鬼を斬って、鎮めたとあります。……もしかして、あなたの持っているその2本の刀……それはその剣豪が持っていた物なのでは?」
「え? その本にそんなこと書いてあるの?」
 驚きながらも紀美子もその本に顔を寄せて、書かれた記事を覗き込んだ。どうやら、本当の事らしい。
「でも、それ以上は分からないんですよね……帝都の図書館に行ければ、何かわかるかもしれません……」
 そういって、歌風はその本を閉じるのだった。

「あっれー? ここにあったチーズ、どこ行っちゃったのかな?」
 迎賓館の厨房でもなにやら、小さな事件が起きていた。新たな食材の仕込みをしようと食べ物のある棚を見ていたのだが……。
「他にもちょっとずつなくなってるようだし……誰か食べてるのかな? そ、それとも、ゾンビが来て食べてる!?」
 怖い想像をして、彩葉は素早く用事を済ますと、皆のいるホールへと逃げるように戻っていくのであった。

「やっぱり、ここをもっと良くしたいな」
 晴美はそう告げる。
「だって、せっかく長くここに居続けるんでしょ? だったら、もっと住みよくした方が、いいと思わない?」
 そういって、晴美もまた迎賓館で動き出す。

 しかし……迎賓館での騒ぎはそれだけでは収まらず。
「雀部勘九郎さん、いますかー?」
「勘九郎、呼ばれているぞ?」
 海斗に呼ばれて、勘九郎は首を傾げる。
「電報です、どうぞ」
 サインを受け取り、電報を運ぶ者は、さっさと戻っていく。
「電報? ……えっと、『オマエノゲンキナ、カオヲミタイ。ヒャッカテンデマツ』……っと、これって、祖父ちゃんから?」
 どうやら、勘九郎の祖父からの呼び出しのようだ。
「それ、本当にじいさんからの呼び出しなのか?」
 胡散臭そうに、海斗が言うと。
「……よくわからない。祖父ちゃんの名前なのは、あってるんだけど……」
「行くのやめた方がいいんじゃないのか? 百貨店の方、治安良くないって聞いたぞ」
「うーん、どうしよう……」
 そう悩む勘九郎の側で、ベスティアはその話にじっと耳を傾けているのであった。


 所変わって、ここは帝国ホテル。
「ほう、色んな所を旅しているのだね。素晴らしい」
「そうですの? でも喜んで貰えるのなら、もっとお話ししますわ」
 しのぶは、随分年老いた老人に褒められていた。しのぶはこうして、交友の和を広げていた。全ては研究を発展させるべく、協力者を得るために。
「それにしても、君の話を、ぜひ孫にも聞かせいものだ」
「お孫さん?」
「ああ、雀部勘九郎って言うんだがね。野球が好きで、いつも元気に走り回っているよ」
 まあとしのぶは、少しオーバー気味に驚いてみせる。
 と、その視線の端で、アルフィナーシャがメイドを伴って、誰かに呼ばれて何処かへ行くのが見えた。
「あら、あの子……どこに行くんですの?」
 失礼と声を掛けてから、しのぶはアルフィナーシャの後をそっと付いていく。
 アルフィナーシャはそのまま、ホテルのエレベーターに乗ると。
「最上階? どういうことかしら??」
 不思議そうに思いながら、もう一つのエレベーターに乗り込み、しのぶも最上階へ向かうのだった。

「で、どこに連れて行くんですの?」
 アルフィナーシャは、このホテルを任されている軍人さんに呼ばれて、メイドのハンナと共に最上階へとやってくる。
「こちらにどうぞ。今日はその、顔合わせということで……」
 案内された部屋の奥には……。
「だから、私は食べませんと言っているでしょう!」
 幼さの残るその声の主は。
「この先に居られるのは、慶仁様……いえ、第50代帝が居られます」
「えっ……?」
 アルフィナーシャの視線の先には、彼女と同年代の……幼い帝が静かに、ソファーに座っていた。


 そして、こちらは境と悟のいる拠点、学校。
 本来ならば、ここにあるだろう美術室で絵画を描くつもりだった境なのだが。
「悟さん!?」
 熱で寝込んだ悟がきょとんとした顔で、布団から起き上がっていた。
「大丈夫なのですか? もう少し休んでいた方が……」
「あの……その……体がとても楽なんです。こんなこと、なんて言ったらいいのか……」
 はらりと外れた包帯。そこにあったゾンビに引っかかれた傷は、綺麗に無くなっていた。しかも……。
「喉も痛くないし、体もとても軽いし……あれ? こんなに回復するなんて思わなかったんですけど……」
 本当に信じられないことなのだが、後で医者に診せた所、どこも悪い所は無いらしい。しかも悟の話によると、実は病を患っていたとか。

「……ということなんです。もしかしたら、グラウェルさんなら分かると思って」
 トイレの個室に籠もって、境は腕のリングから、立体映像を浮かべて、グラウェルと話をしていた。
『な、なんですって!? 怪我をしたのに、ゾンビにならずに……逆に克服したと!?』
 グラウェルはかなり驚愕している様子。
『境、あなたその悟という子供を連れてきてください。彼を調べれば、これからの研究に大いに役に立つでしょう。世紀の大発見になるかもしれませんよ!』
「えっ……」
 だが、境にとっても悟にとってもわからないことばかりだ。
 一度、迎賓館を出てしまったが……グラウェルのいる迎賓館に戻って、研究の協力をするのも悪くは無い。
「……分かりました。聞いてみましょう」
 そういって、境はグラウェルとの通信を終えたのだった。


 彼らの物語は、新たな展開を見せていた。
 彼らの行く末には、一体何が待ち構えているのだろう?
 それでも彼らは突き進む。彼らの信じる未来を得るために……。

マスターより  どうも、秋原です!!
 第2話の結果はご覧なりましたか? 第3話の序章も読みましたか?
 皆さんの活躍により、かなり物語が動き出しています。
 特に迎賓館!! 皆さんが事前に対処して頂いたお陰で、壊滅せずに済みました!! どうなるかと思っていたのですが、本当に良かったです。場合によっては、迎賓館を出ることも想定してたのですが、そんなことナッシングな感じで、一安心です。かなり強固な拠点ができたと思って問題ないですよ。
 それと、あれやこれやと、いろんなフラグも出てきています。
 これって、関係あるのかなーってのも……?? いろいろと考察していただけると嬉しいです。

 今回、牽牛星さん達の物資提供により、「拳銃4丁、弾丸(100発入り)2箱、救急箱」が迎賓館にもたらされました。こちらは迎賓館に居る人のみ、先着順にて配布します。必要な方は、アクションにて、申請をお願いします。あっと、弾丸については、箱入りだと持ち運びに辛いと思いますので、必要発数の記載をお願いしますね。
 ふみさん達が得た「拳銃が5丁、ショットガンが2丁、拳銃の弾(100発)、ショットガンの弾(100発)」は、軍部が確保しています。こちらは、特務部隊の方優先となっています。一般の方が手に入れるのは難しいかも。

 それと、今回の結果を受けて、死亡フラグが立ったNPCが3名います。一人は家族を失った彼と、秘密を共有した長の人、それと……まあ、籠もってるので平気だよねという人の3名です。場合によっては、簡単に死んじゃうので、死なせないようにフラグをへし折るようなアクションをお願いします。

 次回の主要NPCは以下の通りです。
 海斗……掃討戦
 涼介……一応、掃討戦に参加予定ですが、このままだと……??
 桜子・キヨ・晴美……迎賓館に居残り
 重造……掃討戦
 帝……ホテルに閉じこもり
 グラウェル・カレン……迎賓館で活動中(カレンは何か動きがあるかも?)

 獲得リストに関するお知らせです。
 リストを見ていただけると分かりますが、前回、リストにあった物で「使用した物・手渡した物」に関して、アイテムの個数を調整した数を記載しています。こちらもご確認をお願いしますね。
 今回、いろんな称号を割り振ってるので、頑張ってくださーい!!

 それとアイテムに関するお話です。
1)PC間でのやりとりは、事前に相談の上で
 その回でやりとりを終える場合は特に、お願いします。一応、意志を伝えることはできますが、その分、時間が掛かってしまいます。アクションできちんと相談したことを示してください。
 難しそうだなーっと思ったら、NPCにアタックする方が、得られる確率は高いと思いますので、それも念頭にお願いします。
 今回、きちんと出来ている人と出来ていなかった人がいたので、ちょっと注意喚起です。

2)キヨちゃんは武器持ってないヨー
 これはマジですみません!! 説明に書いておけば良かったですね。本当にすみませんでした。キヨの所持している天からの落とし物で拾った武器類は、今回出したもので全部です。それ以外なら、キヨのところに行けばなんとかなるかもなので、尋ねてみてください。ただ、アナザーさんはグラウェルの所に行った方が確実ですね。


 では、今回の指針の説明させていただきますね。

・ゾンビ掃討作戦に参加
 こちらに参加する方には、カレンさんの持っていたあの銃(ただしリミッターついてます)をお貸しします。継続して使う場合ですが、軍部またはアナザーの方々は、申請すればすぐに許可は下りますが、その他の方は「継続して使う、それなりの理由」が必要になります。ご注意ください。
 それと、リミッターがついているので、人を撃ってもぶっ倒れるだけで死にはしません。なので、ゾンビも数発撃たないと倒せないので、気をつけてくださいね。
 え? リミッターを外してくれって? これも「それなりの理由」をつけて、アクションにお願いします。ただ、こちらはちょっと継続して使う申請よりも難しいので、ご注意ください。
 掃討場所の主な場所は町中となります。迎賓館の周辺から各拠点への道のりにいるゾンビを掃討することになりますので、よろしくです。サンプル取り放題ですね!

・帝との謁見【アルフィナーシャさん・しのぶさん専用】
 アルフィナーシャさんは顔パスで謁見できます。境遇も似ていますし、いろいろと交流は深められるのではと思います。フラグが立てば……??
 しのぶさんは、アルフィナーシャさんと一緒に行動することで、同席できる……かな?って感じです。その辺は、アルフィナーシャさんと相談して、決めてくださいませ。

・ゾンビ病研究に協力【境さん・悟さん他専用】
 ゾンビ病に協力する場合はこちらへ。グラウェルの所に行くと、ゾンビ病解明に大いなる進展が見込めます。ぜひ、ご協力を!! 迎賓館に戻ってくる場合は軍がお迎えに行きますので、ご利用くださいませ。それと【他】とありますが、これは、フラグが立った方専用です。悟さんと同じ境遇の方がPCさんの中で1名いますよね? ちらちら。ぶっちゃけるとアレすれば、病気治ります。それをするか否かは、お任せしますので、よろしくです。ただ、一人で試す場合は、ちょっと危険なので、できれば安全のためにグラウェルの所に来ていただけると幸い。そうなると、もっと進展しますぞ。

・鬼斬丸の所有者に立候補
 紀美子さんところに集まって、鬼斬丸の所有者に相応しいか判定します。
 本文では男性と言っていますが、女性でも「怪力等」あれば、引き抜けます。
 ただ、「鬼斬丸本来の力を発揮」するには、その強い意志をアクションで示して、認められなければなりません。紀美子さんのように気合いの入った意志を見せてくださいませ。

・呼び出しに応じてみる【勘九郎さん・ベスティアさん専用】
 あれ? しのぶさんのところで、それっぽい人がいるぞ? ということは……??
 なので、応じたりしたら、結構ヤバい展開になります。それでも向かうというのであれば、何か準備して行ってくださいね。なので、ある意味、選択しないというのも手かも知れません。勘九郎さんは、できればベスティアさんとも相談して、決めていただけると幸いです。二人の絆が更に上がりそう……??

・対策本部で活動!
 その名の通り、対策本部で活動します!
 どんな活動をするのかは、太助さんに聞いてね! 迎賓館ではいろいろ起きてるぜ……にや。

・涼介を支える!
 はい、えっと、某フラグが立ってしまった人です。
 このままだと、下手したら死にます。はい。
 なんとか支えて、目覚めさせてくださいです。

・迎賓館にて
・物資調達に
・NPCと一緒に
・暗躍する【アナザー専用】
・調査する
・自分の道を行く!

 この辺は、前回と同じです。ただ、掃討戦が入りますので、「物資調達・調査する」は、その後に向かうと比較的、安全に行けるかと思います。必要に応じて、選んでいただければと思います。良ければ参考にしてみてください。
 特に迎賓館には、いくつかのフラグが立っています。そちらも念頭に置いて行動してみて下さいね。

 そうそう。できればアクションは、なるべく文字数ギリギリまで埋めた方が、キャラの掘り下げができるので、こちらも助かります。
 忙しくないのでしたら、ぜひ挑戦をお願いします!

 始めにも言いましたが、本当にいろんなフラグがガンガン立っています。それをどう活かすかは皆さんのアクション次第となります。
 どんな選択をするのか、楽しみにさせていただきますね。

 皆様の次のアクションも楽しみに待っています!!