アナプレの世界 ストーリー キャラクター 遊び方 スタッフ 音楽 お知らせ お問い合わせ

最悪の状況を想定して、先手先手を打たないと、死ぬのは私達かもしれない。なら、私が集めたアレも役に立つかも知れない。誰か、一緒に来る人はいる? 一緒に来てくれるなら、私の持ってる物をあげるわ

ちょ……家に戻るのは危険よ、キヨ!

でも、今のこの状況で有効に使えるのなら、使うべきでしょ? 危険かも知れないけど、何もしないまま、ここにいるよりはマシ

…………


第二話 序章

 審判の刻を乗り越え、朝を迎えた。
 迎賓館の門を閉め、桜塚特務部隊に所属の軍人達は、交代で見張ったが、ゾンビ達が迎賓館に入ってくることはなかった。
 そのことにより、迎賓館に逃れた人々は、やっと一息つくことが出来た。
 さっそく、迎賓館に置いてあった物資を全員に配っていき、朝食を取り始める。
「百合、怪我は大丈夫か?」
 涼介は妹の百合に話しかける。右腕に巻かれた包帯が少し痛々しい。
「うん、もう大丈夫……お医者様に治して貰ったし」
「そうか、じゃあご飯食べるか」
 二人で仲良く、配られた朝食を静かに食べ始める。

 と、そのときだった。
「皆さん、聞いてください!!」
 何人もの軍人を率いて、避難者の居るホールに入ってきたのは。
「私は第396大隊……いえ、桜塚特務部隊の隊長を務める神崎重造であります。突然の状況に我々も対応するので精一杯であります。が、しかし、皆さんにお願いすることが出てしまいました」
 階段の上から聞こえるように声を張り上げ、重造は続ける。
「現時点、迎賓館で受け入れている避難者は、収容人数を遙かに超えております。このままだと皆、他から救援を受ける間もなく、餓死してしまう可能性があります。また、就寝場所も限られており、きちんと寝られない方々も多かったと思います。そこで……」
 言葉をそこで区切って、重造は口を開いた。
「移動できる方は、新たな収容場所へと移動をお願いします。移動先の安全は他の部隊により、確保されているのは確認済みです。現時点で皆さんに移動先としてお伝えできる場所は、付近にある『学校・百貨店・帝国ホテル』となっています。可能な方は我々、桜塚特務部隊の隊員にお伝えください。責任持って、皆さんを安全な場所へと送り届けます!!」
 どうやら、この迎賓館ではキャパオーバーらしい。
「この分だと、物資も心許ないかも知れないな……」
 重造の言葉を聞いて、海斗がそう呟く。
「そ、そんな……折角、あの大変な状況から逃げられたのに……」
「そうだよそうだよ!」
 桜子と晴美がそう声をあげる。
「最悪の状況を想定して、先手先手を打たないと、死ぬのは私達かもしれない」
 静かにそう告げたのはキヨだった。
「なら、私が集めたアレも役に立つかも知れない。誰か、一緒に来る人はいる? 一緒に来てくれるなら、私の持ってる物をあげるわ」
「ちょ……家に戻るのは危険よ、キヨ!」
「でも、今のこの状況で有効に使えるのなら、使うべきでしょ? 危険かも知れないけど、何もしないまま、ここにいるよりはマシ」
「…………」
 そうキヨに言われて、桜子は何も言えなくなってしまった。

「おや、神崎中将。ゾンビの脅威についてのお話がありませんよ」
 やってきたのは、モノクルをつけた青年、グラウェルだ。
「ミスターグラウェル……」
「一般の方にも伝えてください。ゾンビには極力近づかないようにと」
 当たりに聞こえるように大声でグラウェルは話し始める。
「ですが、一般に伝えて怖がらせる訳には……」
「自衛も必要ですよ。いいですか皆さん! ゾンビと戦うことになったら、頭を狙ってください。頭を潰すこと、首を刈ること、そうすればゾンビは動かなくなります。戦う際は、参考にしてくださいね。それと……」
 そこでグラウェルは言葉を句切り、続けた。
「決して、『噛まれたり』、『爪で引っかかれたり』しないようにしてください。そうなってしまうと、ゾンビになる可能性があります」
「ミスターグラウェル!!」
「言わなくては、新たなゾンビが生まれ、撲滅することは叶いませんよ。ゾンビは見つけ次第潰さなければ、やられるのは私達です」
 そういってグラウェルは、満足げな笑みを浮かべて、ホールを後にした。
「……お兄ちゃん、怖い……」
 ぽつりと、百合が涼介の裾を掴む。
「大丈夫、俺達がなんとかするから、な?」
 元気づけるよう、涼介が笑って彼女の頭を撫でるが、不安は拭いきることはできなかったようだ。不安げなまま、静かに涼介の後ろについていく。

 と、グラウェルからの話が終わった後、別の隊員がやってきた。
「すみませーんっ!! この迎賓館に『コガミキミコ』さんはいらっしゃいますかー!!」
 その声に紀美子がそっと立ち上がり、手を上げる。
「あ、あの……私、古守紀美子、です」
 緊張した面持ちで彼に声をかけると。
「ああ、よかった!! 電報が届いています。これをどうぞ」
 渡されたのは電報。
「電報? 私に……?」
 戸惑いながら、その電報の入った封筒を開き、中身を見た。
『シキュウ、キタクセヨ。シメイヲハタス、トキキタリ』
 その言葉の最後に、紀美子の父の名が刻まれていた。
「!!!」
 その電報を見た途端、紀美子の顔が真っ青になり、がたがたと震え出す。
「紀美子さん……まさか、家族にご不幸が……!!」
 桜子が驚いた様子で声を上げると。
「そ、そんなんじゃないの。誰かが亡くなったとか、そういうのじゃない……から」
 電報を震える手で封筒に戻して、それを胸に差し込んだ。
「そんなんじゃないの……その、家に帰ってきなさいって……」
「え?」
 想像していた返答とは違う言葉に、桜子は驚いたものの。
「それなら、帰った方がいいんじゃないかしら。だったら……私、一緒についていってあげるわ」
 キヨのことも心配だが、顔色の悪い紀美子の方がもっと心配だ。そう言わんばかりに桜子はそっと、安心させるかのように紀美子の手を握った。
「……ありがとう、桜子さん」
 そう言うものの、紀美子の顔はまだ、強ばっていた。

 だが、話はこれだけではなかった。
 皆に説明を終えた重造が、直接、アルフィナーシャの元へやってきたのだ。
「アルフィナーシャさん、ですね?」
 重造にそう、優しく問いかけられ、びくりと体を強ばらせた。
「お、お嬢様に何かご用ですか!!」
 守るようにアルフィナーシャのメイドが前に出てくるが。
「もし、可能でしたら、アルフィナーシャさんには、帝国ホテルに向かっていただきたいのです」
「帝国ホテルへ……ですの?」
 アルフィナーシャの言葉に、重造は静かに頷き、しゃがみ込んだ。重造との目線が同じになる。
「設備はここよりもはるかに良いものが備わっています。また報告によると、先鋭部隊もホテルを守っているとか。あなたがホテルへ移動していただければ、他の者も移動しやすくなるでしょう。それに、あなたならきっと……いや、あなたに何でも押しつけてはいけませんね」
 瞳を細めて、重造は立ち上がる。
「時間はあります。ギリギリまで考えておいてください。我々はあなたを無事に、ホテルへと案内しましょう」
 そう告げて、重造はホールを後にしていった。
「お嬢様……どうしますか?」
「……わたくしは、どうすれば……」
 アルフィナーシャは形見の人形を抱きしめながら、思わず、ホールの天井を見上げたのだった。

 無事に生き延びることが出来たが、まだ苦難は続くようだ。
 まずは、目の前の課題解決のために……。
 それぞれは、それぞれの道を歩み始めるのであった。

マスターより  どうも! 秋原かざやです!!
 まず先に、第1話の結果について、お知らせします。

 もう既にご覧になっていると思いますが、とっても長いです。初登場のときは、フルネーム(ID)にて記載していますので、そちらで検索すると、自分のキャラの活躍が早めに見れます。ただ、名前だけ先に出ていたり、審判の刻は名前のみで記載しているので、名前で検索するのがいいのかも……。良ければ、検索機能をご活用下さいませ。

 それと、アクションによって、いろいろと付与しているものがあります。称号やあだなはもちろん、能力値もアップします。まさか、1000本素振りが来るとは思ってなかった(笑)。ただ、次回からはちょっと、ゾンビがいっぱいいるので、特定の能力を上げるのは難しいかも知れません。ご注意下さいませ。
 wikiへの反映は、これが公開された1週間後あたりに更新予定ですので、ちょっと気長にお待ち下さいね。更新しましたら、TwitterとSNSにて告知します。

 そうそう、アナザーの皆さんには、『アナザー専用の物語』をメールにて送付しています。届いていない場合は、早めにご連絡をお願いしますね。
 大事な事も書いていますので、よろしくお願いします!!

 さて、結果はこのくらいにして。
 そろそろ次回についてのご連絡を。
 序章にある通り、現在、皆さんの居る迎賓館は、人数過多となっており、一部の方の移動をお願いしています。
 ですが、必須ではありません。出なくても大丈夫! 名もないNPCがひっそりと出て、ひっそりとゾンビになりますので♪ ……がんば!

 後、アクションですが、フォームを見るとわかりますが、人数が少ないと言うことで、アクション文字数を当初の400文字から、「500文字」に変更しています。
 また、簡単な連絡事項が記載できる箇所も用意しておきました。ファンレター等はこちらにどうぞ! 足りない場合は、お問い合わせをご利用下さい!!


 では、簡単に今回の指針について説明を。

●新たな拠点へ
 序章にも書きましたが、「学校・百貨店・帝国ホテル・その他(詳細をアクションに記載をお願いします)」のどれかを必ずフリースペースに記載して下さい。
 また、学校・百貨店・帝国ホテルでは、しばらく物資がありますが、他の場所については、物資調達が必須となります。場合によっては、拠点になる場所の修理や移住空間の整備が必要となりますので、ご注意下さい。
 それと、移動については特務部隊が護衛してくれるので、場所までは安全にたどり着けます。ご安心下さいね☆

●物資調達に
 特務部隊と一緒に物資調達に向かいます。「物資のありそうな所」をフリースペースに記載するのをお忘れなく。それがないと手ぶらで帰ってしまうことになりますぞ!

●NPCと一緒に
 名前のあるNPCに関わりたい方はこちらで。フリースペースに関わりたいNPCの名前を必ず記載して下さい。親密度が高くなると……??

●迎賓館にて
 迎賓館でお留守番です。その代わり、迎賓館を住みよい場所にしてくださいませ。

●キヨの家へ
 キヨと一緒に天からの落とし物がある部屋へと向かいます。イマジンの方は、ここでないと天からの落とし物関連のアイテムをゲットするのは、難しいかも知れません。貴重な機会ですので、ぜひ。あ、こっちは護衛がいないので、皆さんの護衛をお待ちしています!!

●暗躍する【アナザー専用】
 メールで送った物語参照です!! 暗躍する際はこちらをどうぞ!!

●家に帰る【紀美子さん専用】
 えっと、隠し設定にあったアレが早まりました(苦笑)。何をどうするかは紀美子さん次第となりますが、恐らく紀美子さんの山場的な展開となります。
 一人で行くのはちょっとという場合は、誰かを誘うか、桜子が一緒に行きますので、こちらのご利用もどうぞ。
 家に帰ると、いろいろなことがいろいろと動くと思いますので、ぜひよろしくお願いします!!

●調査する
 気になる場所に向かい、調査を行います。
 なので「調査する場所・箇所」を必ず「フリースペース」もしくは詳細を「アクション」に記載して下さい。そうでないと、空振りになりますので、ご注意を。

●自分の道を行く!
 上記の指針で、自分のしたい事がない場合は、こちらを選んで、好きなことをしてください。但し、内容によっては、空振りになる可能性もありますので、慎重に。

 移動する方や物資調達以外は、護衛がいません!! 単独で行動すると、マジでヤバいので、外に出かける方は、充分な準備をお願いします!!
 また、序章とかグラウェルの話は、しっかり読んでおいてくださいね。

 それとNPCの動向ですが、上記に記載のないキャラに関しては、基本、迎賓館に留まる予定です。
 キヨは必要な物が手に入ったら、その後、何もなければ、迎賓館に戻ってきます。
 桜子も紀美子ちゃんと一緒に行く場合も、その後は迎賓館に戻る流れとなります。
 親密度や信頼度によって、PCさんの説得に従う形になります。アクションかけるときは、注意してください。
 また、桜塚特務部隊は、この迎賓館に拠点を置く形となりますので、それを念頭に行動してください。

 それでは、次の皆様のアクション、お待ちしていますね!!